医師から国際公務員(3)JPO赴任までの14ヶ月

ようやくJPOとして今日からWHO東南アジア地域事務所(ニューデリー)に勤務します。でもいきなりデリーではなく、まずはコペンハーゲンのJPOSC(JPOサポートセンター)で1日、ジュネーブのWHO本部で3日、事前研修してから任地へ向かいます。JPO合格から赴任まで14ヶ月!の手続きや流れを、家族帯同で赴任するというところにフォーカスして、時系列の箇条書きでまとめておきます。

最終更新 2018年11月5日(初版)

JPO赴任までの流れ

2017年9月 WHOのA国・国事務所に推薦と連絡。二週間後までにP-11(国連の履歴書)提出指示。職場上司にJPO合格を報告し、2018年3月末までに退職の意向を伝えた。

10月 WHOからも外務省からも特に連絡なし。3週間たったところで外務省に問い合わせすると「WHOに推薦中」との返事。

11月 2ヶ月経過しても特に連絡なし!さすがに次の診療所長の人事もあり、改めて外務省に問い合わせ。A国・国事務所への赴任ではなく、ニューデリーの東南アジア地域事務所への赴任を内々に打診される。この時点ではまだWHOからの連絡や面接はなく、赴任は確定していない。にもかかわらず、1月の国内赴任前研修の参加申し込みが届き、狐につままれたような気持ちで申込み。

12月 やはりWHOからも外務省からも連絡なし。もう想定の範囲内。3回目の問い合わせをし、下旬にようやく2つのTOR(Terms of Reference: 業務内容書)が提示され、そのうちひとつを受諾。外務省からWHOに選考を進めるように連絡してもらう。

2018年1月末 WHOからの面接の連絡を待つこと一ヶ月、突然「WHOにようこそ」メールが届く。もう驚かない時を同じくしてJPOSCから手続き開始の連絡。数日後、JPOSCからも書類提出やセキュリティー関連のオンライン研修、健康診断の指示が五月雨式に大量のメールで届く。書類の提出期限が一週間前後と早いので仕事やプライベートを犠牲にして大急ぎで準備したが、多少遅れても大丈夫なよう。(セキュリティー研修は無線機の使い方とか、拉致されたときに逃げ方とか、全然シャレにならない内容。2つ目のコースの修了が間に合わず翌月受講し、証明書の提出を8月に催促されるまで失念していたが、特に問題なかった)

健康診断と予防接種

最も時間と手間を要するのがこの医学的な準備。職場の病院にたまたまトラベルクリニックがあったため、健康診断とワクチン接種(家族6人で合計40万円くらいかかったが後日払い戻しあり)を開始。予防接種の内容は滞在先や職務内容によってかわるので、信頼できる医師をみつけて予防接種スケジュールを設定してもらうことが最も重要。

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健康診断のほうは、もともと受けていた職場の定期健康診断に含まれていなかった赤血球沈降速度だけ追加検査(数百円)してもらい、検診結果をもとに入職時診断書を記載してもらい、原本はWHOスタッフ医師に郵送し、スキャンデータも送る。JPO同期には臨床的には無視できるくらいのわずかな検査値異常で精査指示をされた人もいるので、なにかしらの異常があれば、あらかじめ医師と相談して再検査や精査をしておくと手間が減るかもしれない。都内ならいくつか手慣れたクリニック(The King Clinicなど)があるよう。この際重要な点は、診断書を記載するのは医師でありさえすれば誰でもよく、日本に数人しかいない「国連指定医 UN certifies phyisician」である必要はない、という点。ここを間違うと、手間が10倍になる。

ここまではあくまでもWHOに入植する場合に必要な健康診断と医学的許可medical clearanceの話。所属機関によっては異なる可能性あり。国連本部にはWHOとは別に、MS.3という自己申告をして、特に精査なく、医学的許可が出た。

2月 WHO SEARO上司とSkype面談し、現在の職場の後任がなかなかみつからない事情を説明し、赴任時期を11月に延期してもらう。JPOSCと外務省に報告し了承を得る。赴任時の航空券を余ったマイレージの特典航空券で手配。JPOの場合、正規エコノミー運賃の75%が支給されるので、自前で航空券手配を行い、UNDSSの保安許可をもらう。東京、コペンハーゲン、ジュネーブ、デリーというような変則的なチケットなので、特典航空券が安くて便利。赴任地から日本行きの区間が残るので緊急帰国にも備えられるおまけ付き。(使わずに住むとよいが)家族は本部研修の旅費は出ないが、家族帯同しているJPO同期もいた。子供がそれなりに大きくて人数が少なければ、そういう選択肢もあるかもしれない。我が家は障害児を含む4人の怪獣を帯同するのは困難なので、本部研修の後一旦自費で日本まで戻り、家族をデリーまで連れて行くことにしてJPOSCとWHOの許可をもらった。

3月 UNDP Indiaにビザ申請について相談。こういった相談がWHO SEAROにできないのが面倒。一時が万事で、住居手当も、教育費の払い戻しも、渡航許可も、すべてUNDPのJPOSCが所管。ところが、個別の詳細はUNDP IndiaやWHO SEAROに相談するようにと言われてしまうことも多く、困惑してしまう。

個々の国際機関は数少ないJPOの対応に慣れないので、事務処理がUNDPのJPOSCに集約しているのは合理的な面もあるが、やはりJPO側からすると、誰に相談してよいのかわかりにくく、いろいろな確認や手続きがたらい回しにあうこともしばしばで、使いやすい制度とは言い難いと思う。

さて、UNDP Indiaによると、ビザ申請の前にUNLP(レセパセ)が必要とのことでJPOSCに相談すると、赴任3ヶ月前くらいでないとUNLPの申請はできないと。小学生の転校先に問い合わせをすると、今ある空席をキープしてもらうには、入学金と授業料の支払いが必要との返答。JPOSCに払い戻しが可能かどうか確認すると、EoD(Entry on Duty)以前の支払いには払い戻しができないとの返答。この時点ですべての手続きが一旦棚上げに。5ヶ月塩漬けである。

8月 満を持してUNLP申請。家族は日本のパスポートのみ。写真が2x2インチと日本ではあまり使わない大きさなので注意。近くの写真屋で仕事帰りに撮影してもらい、スクラブよりはいくらかよいかと白衣のジャケットを羽織ったところ、サイズはOKだったが、上着と背景のコントラストがないと却下されてしまった。今度はちゃんとスーツを着てスピード写真で撮影し受理。Jpegデータがダウンロードできる機械だったので、UNLP申請も、その後のインドビザ申請にも使えて便利だった。10日ほどするとDHLで日本の自宅にUNLPが届いた。(実は全く他人のUNLPも手違いで届き、それは国連本部に送り返したおまけ付き。案外、単純ミスがある)

9月 インド大使館にUNLPに国連公用ビザ取得について相談。

インド国連公用ビザ申請

電話相談はインドの平日、9午前9時から11時の間しか受け付けていないので、つっけんどんに断られてもびっくりしないこと。基本的に必要なのは、受け入れ国際機関の口上書Note VerbaleとUNLPのみで、申請費用は無料。郵送料1000円のみ。ただし、今回は扶養家族がいるので、それを口上書に書き加えてもらうのと、追加費用が一人あたり1550円+郵送料1000円の合計2550円かかる。費用の計算などは自分でして現金書留で郵送するので注意が必要。封筒は現金書留専用封筒でなくてもできるのを初めて知ったが、郵便局員さんはしらなかったので、そのように主張する必要あり。

さらに、赴任先が新しいポストで前任者がいない場合(JPOは基本的に新しいポストのことが多いだろう)、インド政府からの受け入れ許可証の原本が必要と指摘され、WHO SEAROとUNDP Indiaに連絡するも、いずれからもそのような文書は発行が困難で、また不要であろうとの返答。代わりにWHO SEAROから、扶養家族も含めた口上書が追加で発行され、インド大使館の担当者は不安げだったが、結果的には問題なくビザが発行された。重要なのは、口上書は原本を直接東京のインド大使館に郵送してもらうのを忘れないこと。

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UNLPと家族のパスポート(本人の日本のパスポートは不要)、申請書を東京のインド大使館に郵送。数日で電話連絡があり、「初回はsingle entry、3ヶ月しか出せないので、発給日をなるべく先送りしましょう」と提案あり、(JPOSCからは一日も早くとせっつかれたが)10月中旬の発行を依頼。予定通り発給され、10月下旬に自宅に郵送された。この場合、JPO本人はUO-1、扶養家族はMiscというビザ種別であった。

9月下旬 UNDPから赴任手当(引越し費用と飛行機代)が事前に知らせた口座に送金される。もともとあった新生銀行の口座を使った。着金時にどういった性質の送金なのかと確認する電話があり、後日入金を知らせる手紙の郵送があった。新生銀行は海外居住者は使用できない決まりなので、給与振込先として正式に利用を続けるのは難しい。9月末で前職を退職し一時的にプー太郎に。

10月

上旬 船便で引っ越し荷物発送。日通とヤマトで見積もりをとり、どちらも対応はよかったが、ヤマトで6立法メートル約40万円で依頼。荷造り、荷解きもすべて込み。大型家具は日本でも使うので発送せず、子供の車椅子、衣類や食品など、インドで調達困難だがすぐになくてもどうにかなるものが中心(そんなものあまりない)。荷物の到着予定は2ヶ月後の12月中旬と。もし引越し費用が全額出るのであれば一時的にサービスアパートメントに滞在して、家財一式運ぶという手もあったかもしれないが、JPOSCでは特に困難な赴任地以外は、民間業者を利用した引っ越しが決まりで、一律9000ドル(単身者)または10800ドル(扶養家族あり)支給とされているので、闇雲に大型家具を送るのははばかられた。

中旬 学校の入学手続き、住居、運転手やメイドさんの契約、持病のある子どもの通院先探しなどのために1週間ニューデリーに滞在。学校は11月赴任以降の入学でたまたま空席があり入学金と授業料を支払い。入金期限が近く日本に帰国後の送金では間に合わなそうであったため、クレジットカードで支払い。高額のためカード会社に連絡して事情を説明し、人生初めてという金額の決済。

住居は一般的にはAirbnbやサービスアパートメントで生活を初めて、船便の荷物がつくころまでにじっくり探すというスタイルが一般的。しかし子供4人の我が家にとって、赴任後の引っ越しは負担が大きく、事前調整してしまうことにした。WHOやUNDPからの業者の紹介や斡旋はなく、自分で仲介業者を介して探した。住宅手当(Rental Subsidy)が出るが細かい規則があるので、ウェブサイトの計算フォームで要確認。基本給が低いほうが補助が大きいので、JPOでP2レベルのうちのほうが案外少ない自己負担で広い物件に住みやすいという矛盾がある。赴任地やランクごとに家賃に上限額があり、これはUNDPの国事務所に確認、許可を得る必要あり。入居は赴任日からの契約としてもらい、現金で手付金を支払い、契約。これも住居手当は支払われることをJPOSC、UNDP Indiaに確認した。(このあたりの払い戻しがうまくいかないと、かなり手出しが増えてしまうので重要)

ドライバーは車付きでWHO同僚から紹介してもらった。これも公の斡旋はなし。

JPOSCを通じてUNDSSから旅程と滞在先の保安許可を取得。家族の分も申請が必要。

こうしてようやく赴任。赴任時期が延びたのはこちらの原因で例外的だが、9月のJPO二次試験合格発表から、実際に国際機関から受け入れ連絡(最終合格通知)があるまで、私のケースでは約4ヶ月かかっており、その間もこちらから問い合わせない限りはアップデートがありません。さらに、最終合格通知から赴任期限まで2ヶ月しかなかったことに注意が必要です。特に妻帯者や、後任人事が難しい職場では、この点は心構えがないと振り回されます。JPO試験のスケジュール自体が今年度から変更になっているので、このあたりも改善しているかもしれません。

ちなみに成田空港で出国時にUNLPを出したところ、別室に案内されて、結局出国印は日本のパスポートでした。へー。

バイキン部屋から届け!インフルエンザ3つの誤解

息子からインフルエンザをもらった父(職業:総合診療医)です。妻が(バイキンじゃなくてウイルスなのに)「バイキン部屋」と名付けた客間に丁重に隔離され、手持ち無沙汰なのでインフルエンザに関するよくある誤解をまとめます。インフルエンザ流行期に熱が出たら、医療機関をすぐに受診してタミフルやイナビルや風邪薬を貰わなきゃ!と思っている方に、ちょっと立ち止まってご一読いただければと思います。

ただし、これは私個人の意見ですので、所属施設の見解とは関係ありませんし、この記載であなたが不利益を被ったとしても責任をとることはできませんのでご容赦ください。

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どひゃー、ごめんなさい! やむをえず今日は臨時休診です。

結論

はじめにせっかちな方のために私の考えは次の通りです。

誤解1 タミフルが効く!
もともと元気な6〜65歳には抗ウイルス薬は不要
誤解2 熱が出たら必ず病院へ!
⇒⭕元気であなたが心配していないなら、受診は必須ではありません。

❌誤解3 病院の薬が効く!
市販薬も処方薬も風邪薬は症状を和らげるだけ

順に紐解いていきます。

誤解1 タミフルが効く!

私は(今回は)抗ウイルス薬(タミフル、イナビル、リレンザなど)を使いません。

2014年のコクランライブラリーのまとめ(*1)によれば、タミフルの効果は有症状期間を7日から6.3日に短縮することです。入院や重大な合併症を減らす効果はありません。自己申告の肺炎のリスクは1%減ったとされています(つまり、100人に処方すると一人の「自称」肺炎を防げる)が、胸部X線で診断された肺炎は減りませんでした。

要は、もともと持病の無い方にとっては、風邪症状を半日短くするために、1万円前後の医療費をかけて(初診料2820円とインフルエンザ検査料2910円と先発品2830円の薬剤費と薬局の調剤料1000円前後も)様々な副作用の危険(下痢は4%くらいにありますし、稀ながら劇症肝炎、急性腎障害、スティーブンス・ジョンソン症候群の報告もあります)を冒してまで「飲まなくてもいいんじゃない?」というのが個人的な考えです。

もちろん、重症化リスクの高い方は、医師の診察を受けて抗ウイルス薬を含む適切な治療を受ける必要があります。ちなみに、アメリカのCDCが重症化リスクが高いとするのは、次のような方たち(一部抜粋)です。あなたやあなたのご家族は当てはまりますか?

  • 入院が必要な重症例
  • 65歳以上、5歳未満(特に2歳未満)
  • もともと呼吸器疾患や心疾患、免疫不全などの持病がある方
  • 妊婦さんなど

ちなみに新しい吸入薬のイナビルに至っては、海外の第二相試験で偽薬(プラセボ)と比べて有症状期間の短縮を示せなかったため、日本国内でしか販売されていないクールジャパンレアな一品です。良い結果が出なかったので論文化されていないようですが(これが出版バイアスってやつかしらんもし論文を見つけたら教えてください)、アメリカの臨床試験データベースにはイナビルを2個(40mg、日本の使用量)吸っても、倍の4個(80mg)吸っても、一つも吸わなかったときと症状のある期間は同じ4日間でしたと赤裸々に登録されています。それ、聞き捨てならない!ですよ。
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/results/NCT01793883?sect=X70156#outcome1

イナビルとタミフルと比べた試験で効果が劣っていない(非劣性試験)ことで日本では認可されましたが、釈然としないものが残ります。だって偽薬と同じだったイナビルが、タミフルに劣らないって・・・、じゃぁタミフルってなんだよ!と。薬のお値段もさらに上がって4280円。このあたりのもう少し突っ込んだ話は次の名古屋掖済会病院のまとめが秀逸ですので、医療関係者の方はぜひご一読ください。

ディープ・インフルエンザとER診療(名古屋掖済会病院)
http://www.nagoya-ekisaikaihosp.jp/?p=5781 (Web版、下のFacebook版の方が新しそうです)

効果と副作用と費用とを総合すると、抗インフルエンザウイルス薬はすべての人に必要な薬とはいい難いと思います。さらに、2018年5月には塩野義製薬から1回の内服で効果があるゾフルーザが発売になることが2月9日に報じられました。名前はフリーザみたいでかなり効きそうです。詳細はわかりませんが、これもやはり発売時点では日本でだけ承認されているクールな一品になる見込みですので、費用対効果についてちゃんと眉につばして向き合う必要があります。

タミフルが効く! ⇒もともと元気な6〜65歳には抗ウイルス薬は不要

誤解2 熱が出たら必ず病院へ!

ぐったりして心配な時、食事も取れない時、呼吸が苦労そうな時、そういうときは迷わずにすぐに病院を受診です。受診するかどうか迷うようなときも、せっかく世界でも類稀なフリーアクセス(好きな医療機関に好きな時にかかって良い)の皆保険制度がある日本なので、遠慮なく受診です。このあたりは下の一見対立する2つの議論が興味深いです。いずれも本質的には、病院に受診するべきかどうかをお上や他人がとやかく指図するな、という点では同じことをおっしゃっているのじゃないかと思いました。

  1. インフルエンザで「早めの受診」は間違いです!
    医療ガバナンス学会 坂根みち子さん
  2. ただの風邪? 親としての直感こそ大切に
    Huffington Post Japan 高山義浩さん

でも、インフルエンザ流行期に熱が出たら必ず病院を受診して診断してもらう必要があるかといえば、答えはNoです。流行している時期には医師はそもそもあまり検査を行わず、病歴(いつからどのように具合がわるくて、周りがどのような状況か)と身体所見(呼吸、血圧、脈拍、酸素飽和度、発熱、咽頭後壁のリンパ濾胞や呼吸音など)から他の重大な疾患を除外してインフルエンザを臨床診断します。そう、医師がインフルエンザですと言えば、診断はインフルエンザです。

そして重症化するリスクや希望に応じて「風邪薬」や「抗ウイルス薬」を処方します。リスクがなくて希望がなければどうするかって?もちろん、何も薬は処方せずに「心配なさそうですから、ゆっくり栄養と休養をとって、お大事に〜」と笑顔でお送りするのです。あえて言えば、私たちは安心を処方しているといえるのかもしれません。

ですから、熱は有るけど元気で、食事や水分もとれ、意識もはっきり、呼吸も落ち着いていて、あなたが特に不安を感じないのであれば、病院に受診してもあまり得られるものはありません。繰り返しますが、不安な時、辛い時、夜中でも休日でも受診してください。でも、さほど辛くないけど熱があってちょっとだるいからという理由だけで、苦労なさって病院においでになる必要はないと思います。ましてや、症状がないのに「念の為」「検査のため」受診しても、待合室で長時間過ごすうちに、病院でインフルエンザにかかるのがオチですのでナンセンスです。

学校や職場によっては「インフルエンザ治癒証明」を求められることがあるかもしれませんが、医師が診察室で行うのは、またしても問診と診察だけです。そのための患者さん、家族、医療者の手間と時間と費用をかけるほどのものではありません。もし症状が改善してきたら、学校保健法に定められたとおり「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで 」自宅療養して、登園・登校すればよいはずです。沖縄県のように県全体で治癒証明を取りやめる取り組みも出始めていますので、広がればよいと思います。

熱が出たら必ず病院へ! ⇒元気であなたが心配していないなら、受診は必須ではありません。

誤解3 病院の薬が効く!

インフルエンザの迅速検査が陽性であれ陰性であれ、熱とだるさと咳とくしゃみと喉の痛みはどうにかしたいのが人情です。せっかく苦労して病院までたどり着いて、長時間待たされたんだから、「市販の風邪薬が全然効かないから、スカッと効くやつ出してよ!」とおっしゃるお気持ちはもっともです。

・・・でも、大変残念ですが、そもそも世の中には風邪薬(根本治療薬)なんて(私が知る限り)ないのです。それは市販の薬でも、病院の処方薬でも同じこと。漢方については私は勉強不足でよくわかりませんし、もしご批判、反論があれば謹んで伺いますが、いわゆる「風邪薬」には咳止め、痰切り、鼻水止め、熱冷ましなどが調合されているものの、どれも症状を和らげる対症療法薬で、風邪の原因となる様々なウイルスに直接働きかけるものはありません。(まぁ、その数少ない例外がインフルエンザに対する抗ウイルス薬なわけです)

ですから苦労して受診した夜中の救急外来でもらう風邪薬が、薬局で買うパ◯ロンとか◯ルよりもよく効くかというと、あまり差はないはずです。もちろん、もともと病気がある方や他に飲み薬がある方は、しばしば飲み合わせの問題がありますので、処方を希望する場合には病院を受診したほうがよいでしょう。繰り返しになりますが、「風邪薬」は風邪を早く治す薬ではなく、風邪の症状を飲んでいる間だけ和らげる薬です。

病院の薬が効く! ⇒市販薬も処方薬も風邪薬は症状を和らげるだけ

あ、もちろん「肺炎にならないように、念のため抗生剤を出して」なんておっしゃらないでくださいね。

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「南牧村診療所からこんにちは」より

ちなみに余談ですが、法律の決まりで医師は自分に薬を出すことが出来ません。じゃぁわざわざ薬局で風邪薬を買ったり、高価な◯山薬品や農◯の置き薬を飲んだり、あるいは病院を受診して風邪薬をもらうかというと・・・、私の答えは多くの場合Noです。

今回は症状も軽いし、たっぷりショウガをきかせた甘〜いチャイ(インドやネパールで飲まれているミルクティー)を飲んで、あとはしっかり休んで体が勝手にウイルスを追い出すのを待ちます。具合が悪い時に仕事や学校を無理せずに休める社会の仕組みのほうが、ずっと効く!ような気がしてなりません。国民医療費40兆円の時代に、限られた社会資源の使い方を冷静に考えるべきだと思います。

最後に

やや朦朧とする頭で雑然と書きなぐったので、不正確なところや言い過ぎのところもあるかもしれません。ご指摘は@zakojiで甘んじて受けます。また臨時休診でご迷惑をおかけしているみなさん、申し訳ありません〜。

先ほど息子二人(共にインフルエンザ野郎)と入浴していたら、娘が扉を開けて「やーい、バイキンメン」と冷たく言い放って消えました。明日はキミがドキンちゃんになっていないことを祈っています。

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佐久市平賀のmarucafe(*2)さんのチャイ・スパイスセットで、自宅で手軽に本格チャイが煮出せます。個人的に好きなだけで、リベートをもらっているとか、開示すべき利益相反はありません。

(*1) Jefferson T, Jones MA, Doshi P, Del Mar CB, Hama R, Thompson MJ, Spencer EA, Onakpoya IJ, Mahtani KR, Nunan D, Howick J, Heneghan CJ. Neuraminidase inhibitors for preventing and treating influenza in adults and children. Cochrane Database of Systematic Reviews2014, Issue 4. Art. No.: CD008965. DOI: 10.1002/14651858.CD008965.pub4.

(*2) marucafe http://maru-cafe.com

医師から国際公務員(2)JPO合格まで

前回の医師から国際公務員(1)JPO応募までのつづきです。知り合いにJPO経験者がいないと、なかなか実際の様子が想像できずに踏み出せないJPO試験。情報を持っている人とそうでない人の格差を少しでも埋められればと思ってまとめましたのでご参考にどうぞ〜。

ちょうど昨日(2018年2月9日)、平成30年度のJPO試験の事前告知が外務省から出ました。要は、語学試験は早めに受験しておいてください、例外はないですよ、という告知です。平成29年度も同じようなタイミングで、同じようなアナウンスがありました。一緒にFAQ(よくある質問)もアップデートされて、合格者のTOEFL平均点が104点だったなど、具体的な記載があり参考になります。

JPO試験 応募から合格までの流れ

さて、時間軸に沿って応募から合格通知までの流れを簡単にまとめておきます。全体像は外務省のウェブサイトにある「JPO派遣制度ガイドブック」がわかりやすいので、一枚引用。

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JPO派遣制度ガイドブック より引用

5月の連休をつかって滑り込み応募した書類は、5月一杯かけて書類選考にかかります。ここがどのくらいの倍率かは非公開。

6月

上旬、一次審査(書類選考)合格通知がメールで到着。

あなたは,「2017年度JPO派遣候補者選考試験」の第一次審査(書類選考)に外務省選考枠で合格されましたので,ここに通知いたします。
第二次審査は,下記の要領により実施します。
試験地: 東京
集合日時:
7 月 x 日(x) xx:xx(英語筆記試験)
7 月 x 日(x) xx:xx(面接審査)
原則として指定した試験地及び面接日時の変更はできません。

  1. 試験場所(東京、ジュネーブ、ニューヨーク)と試験日程は、外務省から指定されて、原則として変更もできない。
  2. ただ、役所の言う「原則」は「例外」を排除しているわけではないので、個別の事情があれば相談してみることはできる。
  3. いずれにしても平日を休んで試験を受ける必要が有ることは変わらないし、一ヶ月程度の猶予もあるので、つべこべ言わずに仕事や家庭の調整して受験に行くしかない。
  4. この時点ではじめて職場の上司にJPO試験を受けていることを伝え、了承をもらった。
  5. 職場によって違うだろうが、私の職場の就業規則では、退職3ヶ月前までの意思表示が必要とされている。でも実際には少なくとも半年、できれば一年くらい前には伝えていないと人事が難しいのが医療分野の実情・・・。
  6. 外務省選考枠とあるのは他に、UNDPなどの国際機関が直接選考する枠もあるため。WHOを第一希望にしていると、外務省枠になる。
  7. 書類選考でどのくらい絞られるのかは公表されていない。
  8. 英語力についてはFAQに次の記載があり、たしかに語学力だけでの足切りはしていないのが見て取れるが、合格者の平均は結構高いなという印象。やはり語学が足を引っ張らないという意味では100点前後が一つの目安になりそう。

2017年度JPO試験(追加募集試験を除く。)の最終合格者のうち、 TOEFLテストで受験した最終合格者のスコアは平均104.6点(最低点 90点、最高点119点)、IELTSで受験した最終合格者のスコアは平均7. 2点(最低点6.0点、最高点8.5点)でした。

7月

上旬、外務省本省で第二次審査(面接)。

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標高1350メートルで育つ「雲の上のトマト」

野辺山高原のレタスと雲の上のトマト(高見沢憲一さんのばかうまフルティカ)を手土産に大学時代の同級生の家に転がり込んで前泊。もちろん東京までの交通費や宿泊費は手弁当なので、節約できる所は節約です。

同じ日の受験者は4人、うち2人は海外から一時帰国しての受験でした。面接で当日一緒になったのは4人で、そのうち合格したのは(おそらく)2人。一次選考の合格者数は公表されていないので面接の倍率が何倍くらいなのかは不明ですが、n=4のサンプリングと私の直感に基づいた推測では、おそらく2倍以下までしぼられているのではないか、という手応えです。嘘だったらすみません。

筆記試験

英文エッセイですが、外務省国際機関人事センターのウェブサイトにある過去問とよく似た問題が出ます。同じような問題はでないだろうと高をくくっていたのを反省。せっかく過去問が公開されているので、一度は自分で書いてみておくと良いと思います。午前の筆記試験から午後の面接試験まで4時間くらい間があったので、緊張をほぐすために寿司を食いに行ったのは家族にはまだ告白していません。

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イメージ映像 (糸魚川のすし活さん)

面接試験

詳細まで踏み込むとこの試験の妥当性を損ねてしまうかもしれないのであまり具体的には書けませんが、基本的には和やかな雰囲気ですので身構える必要はありません。

  1. 日本の会場はみんなリクルートスーツ。目立つ作戦ならパーカーで。
  2. 面接官は3人で、外務省から責任者がお一人、外部の国連勤務経験のある面接官が二人。
  3. 時間は30分前後で、質問はどれもごく一般的な内容で、奇をてらったものはない。例えば、
    1. どうしてJPOを希望したのか
    2. なぜWHOか
    3. WHOでどのような仕事をしたいか
  4. 面接は国連で一般に採用されている、典型的なCompetency Based Interviewではない、というのはポイント。でも、来年かわってたらすみません。
  5. 日本語の質問には日本語で答え、英語の質問には英語で答える。フランス語などの国連公用語の運用能力ついて応募書類に記載していると、その言語での面接が加わることもあるらしいが、私には無関係。
  6. 準備らしい準備もあまりできなかったが、とりあえず国連の事務総長とWHOの事務局長が交代したばかりだったので、名前と顔を確認して就任演説の内容を印刷して、ざっと目を通していたのはよかった。
  7. ロジ面では、霞が関の地下鉄駅にはロッカーがあるので、大きな荷物はそこに入れておけば身軽です。
  8. 海無し県民の悲しい性で、帰りの新幹線でも寿司を食ってしまった。友人宅泊で宿泊費を浮かせた意味半減。
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東京駅グランスタの竹若の塩にぎり

9月上旬

二次審査合格のメールが到着。

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写真はイメージです

あなたは、2017年度JPO派遣候補者選考試験に合格し、JPO派遣候補者となりましたので、通知いたします。外務省国際機関人事センターは、該当する国際機関に対し、あなたを下記のポストへの候補者として推薦します。
WHO, Health Systems, Technical Officer(バングラデシュ・ダッカ)

待つこと二ヶ月、合格通知です。でも、これで派遣が決まったわけではありません。私の場合、赴任先と赴任時期がようやく確定したのは、2018年2月になってから。二次審査の合格発表から5ヶ月後です。それなのに赴任時期が「原則」3月末というスケジュールは、家族持ちの感覚としてはまぁ無理ゲーとしか言いようがありません。

しかも、派遣が最終確定するまではあくまでも「派遣候補者」に過ぎず、派遣先が二転三転したり、先方からの連絡がパタリと途絶えて一ヶ月くらいが経過したりしていると、そのうち家族から「本当に行くの〜?」と白眼視され、職場では上司に「まだいつ派遣になるのか決まらないんですが」と苦しい説明を続けざるを得ず、だんだんボディーブローのように効いてきて、「俺、本当にいくのかなぁ〜」と弱気になりながら、気づいたら年越ししてました。

そのあたりの話はまた次回、医師から国際公務員(3)JPO合格から派遣までで。

医師から国際公務員(1)JPO応募まで

「先生こんど、ニュージーランド行くんですか?」
−−いえ、ニューはニューなんですけど、多分ニューデリーの聞き間違いかなぁ・・・。

退職の噂が広がってから、院内ですれ違うたびに、ちょっとずつピントのずれたやりとりを続けるこの頃です。

村の診療所からWHOへ

総合診療医として9年勤めた信州を離れ、インド・ニューデリーにあるWHOの東南アジア地域事務所(SEARO: Regional Office for South-East Asia)に赴任することになりそうです。中学卒業と同時にギャップイヤーをとってインドやネパールの山の中を放浪したときの強烈な原体験からあっという間に18年。

高校、大学と9年勉強して医師になってみたら、実は日本にだって医療が十分に行き渡らないへき地や、お金や保険や滞在資格がないために医療を受けられない人々がいるという現実を目の当たりにしました。海外の話をする前に、まず足元の日本できちんと仕事をして学ぼうと、あっという間に9年が経ちました。

心の中では守りに入って、「もう海外に出て仕事をすることはないだろうなぁ」と漠然と感じ始めた33歳。35歳の年齢制限までに一度だけ応募してみようとJPO試験を受けてみたら、様々なご縁が重なってか、拾って頂けることになりました。

手探りのJPO応募

試験を受けて一番心細かったのは、医師でJPO制度を使った方の情報はウェブ上ではお一人しか見つけられなかったこと。JPO制度を使ったという知人も周囲におらず、応募は文字通り手探りでした。

この記事でJPO試験の経過についてシェアすることで、日本で臨床をしている医療職の方が、JPOとして国際機関で働くことを現実的な選択肢として考えてもらえるようになったらいいなと思います。

34歳、非帰国子女、海外勤務経験なし、子持ち。

どれもJPO試験には不利な属性ばかりのはずなのに採用していただけたのは、JPOの予算自体がここ数年増えて相対的に倍率も下がっていること(2004年は30倍だったのが、昨年は7倍)や、UHCなど保健分野で日本のプレゼンスを高めたいという政府の思惑も影響したのかもしれません。今年は私が知る限りで医師が4人、看護師が3人JPOに合格(派遣先はWHO 6人、IOM 1人)しています。ですから医師・看護師からJPOは決して特殊ではありません。今はむしろ医療者にとっては追い風が吹いている感じがします。

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JPO試験の応募まで

1月

新年の家族会議。今年の目標は「次のステップを考える」。
日本の将来への漠然とした不安や、子供の教育なども考えて、外務省のJPO試験の受験を考え始めた。

2月

JPOの募集要項が発表になった。国際機関人事センターのFBページをフォローしたり、JPO試験の公開グループに参加しているとお知らせしてくれるので便利。JPO試験を受けるかどうかはまだ決めきれなかったが、ひとまずTOEFLは受験。

  1. ほとんど準備はできなかったが、オンラインで購入した模擬試験を2,3回分解いておいた。実際の画面の操作になれることができるので価値あり。
  2. 受験料(直前申込みの割増料金)と模擬試験の問題集アプリであわせて300ドル弱。ETSのウェブサイトにはMacのSafariではうまくログインできないので注意。Firefoxなら大丈夫だったはず。
  3. 受検地は甲府で毎月実施されていて助かった。東京、大阪など大都市なら頻繁に開催されている。
  4. 受付で撮る写真がそのままスコアカードにも印刷されるので、あまりラフな格好はやめたほうがいいかもしれない。
  5. 試験時間は4時間以上と長く、パソコンに向かってひたすら文章を読み、書き、聞き、話し、試験終了後はぐったり。チョコレートなどの糖分を持参しておくと、休憩のときに補給がしやすい。

試験が終わった後は、休日を潰されて不満げな子どもたちをつれて富士急ハイランドまで足を伸ばし、トーマスランドで火照った頭をクールダウン。

受験して10日ほどでオンラインでスコアが表示され、足切りといわれる100点クリアを確認して終了(実際には足切りはないよう)。どうせ帰国子女は120点満点近くとるので、英語力では差はつかないような気がする。

3月

東京のユニセフハウスで開かれたJPO説明会に参加。参加者はざっと見た感じでは70人程度で、学生から社会人まで様々。リクルートスーツの人もいれば、パーカーの人もいます。外務省の国際機関人事センターのスタッフが具体的な制度や国連の給与、福利厚生などの説明をしたあと、JPO経験者から応募上のポイントなどの話がある。
(資料は外務省のウェブサイトを参照。保存用コピー: JPO_Seminar_Briefing

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ここでJPOからUNDPの人事部正規職員へ進んだOさんの

「なぜNGOでも外務省でもグローバル企業でもなく国連なのか」
「チェックボックスをより多くティックしたほうがお役所的には選考に有利」
「応募書類にストーリーを持たせて際立たせる」
「国益と個人の思いのバランスが重要」

といった指摘は、応募書類を書き進める上で重要な指針とになった。こういう助言は選考する人事センターからは出てこないと思うので貴重。会場を見渡してみてどんな人がJPO試験をうけるのかという空気感をつかむためにも、ぜひ一度は説明会に足を運んでみたほうがよい。

4月

重い腰を上げて応募書類を書き始める。

  1. 書いては消しなので、ログ管理をきちんと。
  2. 大まかなストーリー、エピソードを書き出して構成してから記載を。
  3. 希望する機関や職種は具体的に記載。他の候補者とバッティングせず、自分の専門性ともよく合致したポストを記載できているかどうか。
  4. 赴任地に関する制約は危険度(HARDSHIP CLASSIFICATION01072017 )に応じて「Aのみ」とか、「Cまで」とかいうこともできる。もちろんここで制約が多ければその分不利になるのではと躊躇するが、後から覆すことはできない部分でもあるので、偽らずに明記したほうが良い。実際、私の場合はFamily Duty Station(家族同伴可能な場所)と記載して応募したが、提示されたポストはDhaka(危険度C)やNew Delhi(同B)で生活のハードシップは高い赴任地ばかりで、特に両親などからは「なんでAってしとかないの!」と呆れられた。(でも、それじゃ受からないかもと思うのが人情。)

  5. 外務省人事センターのFAQ(http://www.mofa-irc.go.jp/jpo/dl-data/2018FAQ.pdf ) には「本欄は選考を不利にするための質問ではなく、外務省国際機関人事センターが あなたの配属を考慮するためにお伺いするものです。ご家庭の事情や健康上の 理由などにより勤務が困難な地域がある場合は、正確にご記入ください。」とあるのが公式見解。
  6. 書類は日本語と英語とあるが、まずは日本語を書き進めるほうが楽だし、おそらく重要。
  7. 英語はP-11という国連共通フォーマットとほぼ同様で、実は外務省の選考ではほとんど見られていないのかもしれないと合格者同士では話した。
  8. Referenceに含める人には事前に連絡をして了解を得るのが原則。しかし、実際にReferenceに連絡がいくとしても、二次試験に合格して、国際機関側からの照会がかかる段階になってからだろうから、応募時に必須ではなさそう。私の場合は書類選考に合格してから声を掛けた。

5月

ゴールデンウイークを使って締め切り直前まで書類作成。提出は期限の90分前に滑り込んだ。

  1. Zipで圧縮して指定の条件を満たすパスワードを掛けるという作業があるので、時間には余裕をもったほうが良い。
  2. 受け取りましたという確認メールが数日の内に送られてきた。

これで応募はおわったので、書類選考の結果を待つ。

続きはJPOへの道(2)合格まで

農村医学I・回答例

試験おつかれ様でした。回答例を掲載します。もし「こんな答えははどうですか?」「その回答は違うと思う!」というようなご質問やご意見がありましたら、コメントかメールでお知らせ下さい。

南牧村診療所・座光寺

問題と回答例

(1)二回目の講義にお呼びした市川八十吾さんによれば、戦後の南佐久地域では医師を呼ぶにはお金がかかるため、「医者を( あげ・家にあげ )るのは葬式の準備と一緒」と、芸者を家に呼ぶのと同じ言い回しで表現したという。(5点)

(2)こうした状況の中で多くの患者は病院にたどり着く頃には手遅れになって、救えるはずの命を失うことが続いた若月俊一らは、病院の職員はその力を5:3:2=入院:外来:(地域での活動(公衆衛生活動、検診、保健予防活動、文化活動など))の比率で配分すべきと主張した。(5点)
※いずれかの要素が含まれていればOK。ちなみに座光寺のTEDxTalkでは5が外来、3が入院と間違っているのはお気づきになりましたでしょうか。

(3)1961年のホワイトらの研究によると、ある1000人の地域を1ヶ月間観察すると、750人が何らかの体調不良を感じるが、そのうち医療機関を受診するのは250人程度にすぎないことがわかった。図の(    )に入る言葉を答えよ。(5点)
入院

病院に入院するということは、誰にとっても非日常的な出来事で、患者の生活のごく一部を切り取ったにすぎません。人の健康を決定づける様々な社会経済的背景(SDH: Social Determinants of Health)に配慮して、初めて病気ではなく人を診ることができると思います。

(4)以上の考え方は、後にWHOとUNICEFが1978年のアルマアタ宣言で「プライマリ・ヘルス・ケア」として定義したものと共通点が多い。では、プライマリ・ケアとプライマリ・ヘルス・ケアはどのような点で異なるのか。中学生にも分かるように平易な言葉で説明せよ。(5点)

例1)プライマリ・ケアは住民に与えられるものだが、プライマリ・ヘルス・ケアは住民自身が作り出すものである。
例2)プライマリ・ケアは医療に、プライマリ・ヘルス・ケアは保健・予防活動に軸足を置く。
例3)プライマリ・ケアはプライマリ・ヘルス・ケアの一部である。

プライマリ・ケアの定義

primary careとは、患者の抱える問題の大部分に対処でき、かつ継続的なパートナーシップを築き、家族及び地域という枠組みの中で責任を持って診療する臨床医によって提供される、総合性と受診のしやすさを特徴とするヘルスケアサービスである。(米国科学アカデミーの医学部門による1996年の定義)

プライマリ・ヘルス・ケアの定義

Primary health care is essential health care based on practical, scientifically sound and socially acceptable methods and technology made universally accessible to individuals and families in the community through their full participation and at a cost that the community and country can afford to maintain at every stage of their development in the spirit of self-reliance and self-determination. (アルマ・アタ宣言 WHO 1978, Declaration: VI )

(5)現代では、住民の価値観が多様化し、個人主義やプライバシーを重視する考え方などから、集団で健康づくりをする従来のプライマリ・ヘルス・ケア活動が盛り上がりにくいとの指摘もある。こうした中で、あなたにできる、あなたがやりたいと思うプライマリ・ヘルス・ケア活動は何か。自由に発想してあなたの考えを教えて下さい。  (10点)

例1)村の診療所の玄関に自家野菜の直売所を作り、受診が無くても気軽に立ち寄れる診療所にする。普段から立ち寄っている場所なら、いざ困ったときにも相談しやすいはず。−−自己採点3点(住民ニーズ、地域資源、住民参加はある程度ありそうだが、結局のところ診療所における医療にとらわれており、住民自身が作り出す活動とはいえない)

皆さんの模範回答を期待しています!おこがましくも採点にあたっては、「自分だったら参加してみたいか」という視点と、プライマリ・ヘルス・ケアの4原則(住民のニーズに基づく方策、地域資源の有効活用、住民参加、他のセクターとの協調)にもとづいているかという点を重視して評価します。

マヒドン大学公衆衛生学部(MPH)留学メモ第4版

この情報は2011年3月から2012年5月までの留学時の情報に基づいています。最新情報の確認は各自の責任でお願いいたします。

入学まで

申込みの流れ

http://www.ph.mahidol.ac.th/Webpages_MPH/

こちらにある通りです。メールでの問い合わせの場合、gmailがはじかれることがあるので、返事がなければ他のアドレスから再送してみてください。

12月上旬 願書と必要書類を送付(推薦状2通はそれぞれ直接郵送してもらう)
1月中旬 合格通知がメールで到着
1月下旬 帯同家族のビザ申請書類が到着
2月上旬 航空券手配、ビザ申請
3月中旬 渡航

合格者の顔ぶれ−臨床経験・英語力

いわゆる入学試験はなく、書類が揃ってさえいれば、基本的には合格すると考えて良いと思います。二年間の職務経験が必須とありますが、初期臨床研修でも問題なく、同期の中には大卒でそのまま進学してきた学生もいました(特に医学部卒業後のポストが足りないミャンマーに多かったです)。厳密には入学要件を満たしていないため、学内の一部にはこれを問題視する向きもあります。

語学力については、入学後の学内共通試験(MU Test)で代用できます。同期の約1/3はMU Testで代用していました。私自身はTOEFL iBTを東京で受験して、スコアも大学に直接送付するようにしましたが、スコアの直接送付はかならずしも必要ではなく、スコアカードの写しを郵送すれば十分のようです。語学力による足切りはありません。

ビザ申請

詳細はタイ王国大使館のウェブサイトをまずは参照ください。
http://www.thaiembassy.jp/

特に注意が必要な点としては、家族を帯同する場合には大学と職場から追加書類が必要になることです。本人はNon-Immigrant ED、家族はNon-Immigrant Oビザです。

いずれもシングルエントリー(9000円、3ヶ月)で申請し、バンコクでさらに一年延長します。平日午前に東京九段下で本人申請し、翌日午後ゆうパックで発送してくれます。マルチプルは22000円とかなり割高ですし、2012年1月現在はスワンナプーム空港でも出国当日に申請可能になっているので、あえて日本で申請する必要はないと思われます。ただし、入国後の3ヶ月以内に確実にタイを出国することがわかっているのであれば、手間賃と保険料と考えて、あらかじめマルチプルで申請しても構わないと思います。なお、バンコクでマルチプルリエントリの申請費用は3800THB(9200円)です。

90日レポート、再入国許可、滞在期間延長(ビザ延長)

90日レポートは大学が代行してくれますので、時期になったらパスポートを預ければOKです。再入国許可は出国当日の空港でも取得できますが、有事に即座に出国出来る準備を整えておくという意味合いでは、やはり滞在延長手続きと同時に再入国許可を取得しておくのが安全だと思います。

滞在期間の延長手続きは、ドンムアン空港の近くにある合同庁舎で行い、本人出頭が必要です。大学がバンを出してくれるので、まとまって申請に行きます。スムーズに運んでも半日はかかる大仕事です。必要な書類は、パスポート、パスポートのコピー(前ページに署名)、写真、TM7、TM8、家族帯同の場合は戸籍記載事項証明(戸籍謄本を下に、在バンコク日本大使館に発行してもらう)などです。戸籍謄本は発行から6ヶ月以内であれば有効なので、予め取得して来泰時に持参するとよいでしょう。

海外旅行保険

保険は必須です。カード付帯だけではやはり治療救援費用がすずめの涙ですし、そもそも保険期間が長くて3ヶ月までなので、きちんとした長期の海外旅行保険に加入する必要があります。呼び方は駐在員保険や留学生保険などありますが、どれも中身は同じようです。私達が加入したのは損保ジャパンのファミリープランF20で、治療・救援費用3000万円、家族3人14ヶ月、保険料が50万円程度でした。契約にあたっては、知人の紹介で利用した金子秀人さんの事務所を通しました。途中で出産があり、中途解約や被保険者を追加して再契約など面倒な手続きをお願いしましたが、迅速に対応いただき安心感がありました。

金子秀人損害生命保険事務所
http://www.kaneko-sompo.jp/

損保ジャパンファミリープランF20
http://sompojapan.i-hoken.jp/family/price.html

バンコクでの出産

バンコクで出産する場合には、当地で新生児の健康保険に加入する必要がありますが、日本で加入する旅行保険に比べてかなり割高で、しかも出生後二週間は保証されません。言うまでもありませんが、日本で保険適用になるようなケースを含めて、バンコクでの出産費用はすべて自己負担です。新生児に何かあった場合もすべて自己負担です。

したがって、企業駐在などではなく個人でバンコクで出産する場合には、それなりの経済的リスクを背負う覚悟が必要です。また支払い能力がない場合には、母体や新生児を危険に晒す可能性があります。なお、帰国後に出産一時金や、健康保険の海外療養費を申請することは可能です。

私たちは当初はバンコクでの出産を予定していましたが、10月からのバンコク大洪水の影響で妊娠9ヶ月で一時帰国を余儀なくされ、そのまま日本で出産となりました。結果的には合併症もなくスムーズなお産でしたが、経済的にも医療的にも、やはり母国日本での出産は安心でした。

入学後の生活

住居

途上国出身の同級生は月4500-6000バーツくらいのRangnam ApartmentやVM Mansionに住んでいる人が大多数。いずれも大学から徒歩20分程度。バス通学が便利。大学周辺には月8000バーツくらいで小奇麗な物件が多数あり、単身の日本人はこのあたりが多いようです。独身であれば荷物も少ないので、当初はホテル泊で、こちらにきてからアパートを探すので十分です。

小さな子供がいたりすると場当たり的な対応はできないので、あらかじめ契約しておくと安心です。私はタクミホーム にお世話になりました。前年の9月に渡航して10カ所ほど物件を下見してイメージを掴んでおいて、1月になってからメールで空き物件を再確認し、室内の様子を写真で送ってもらって契約しました。日本人街(スクンビット39)のプール付き1LDK50平米で月20000バーツ程度からです。通学はBTSが20分程度。BTSの戦勝記念塔駅から大学までが徒歩10分程度。

お金

当座の資金は日本円の現金で持って入国するのが現実的です。市内の両替商(SuperRichなど)は銀行よりも数%レートが良いです。日本国内の資金はネットバンキングで自由に動かせるようにしておくことが絶対条件です。

こちらに来て一ヶ月程するとで授業料の支払いを求められますが、支払の方法は現金でも、振込でも、小切手でも大丈夫です。7500USDとありますが、タイバーツでの支払いでも可です。

タイの銀行口座は大学の入学許可証とビザがあれば30分ほどで開設できます。SCBを使っている人が多いですが、日本人にはKasikornのほうが対日本円のレートがいいので有利です。いずれもオンラインバンキングが便利に使え、振込も24時間対応です。家族用のキャッシュカードも発行できます。日本からの入金は諸般の事情でCitibankからUSDでKasikornに送金していましたが、USD経由なのでレート的には少しロスがあります。これも振込先口座を書面で登録しなくてはいけません。

ベストなのはロイズの海外送金サービスです。日本からしか利用登録ができないのですが、登録にはタイの銀行口座番号が必要というニワトリと卵の罠があります。渡航後に日本にいる家族に代理で手続きをしてもらうことを念頭に、事前に本人確認書類などの必要書類を日本の家族に渡しておくと首尾よくいくと思われます。(日本の銀行口座からロイズに国内振込すると、自動的に海外送金されるサービスです。手数料も安く、便利なようです。円建てでKasikornに入金するのがよいです。私はすでにこちらにきてからこのサービスを知ったので、登録の手間が面倒であきらめました。)

Citibank以外にも、新生銀行や大手の都市銀行などは、そのままタイでも現金を引き出せますが、これは両替レートも不透明ですし、それに加えて手数料が毎回150THBもかかってしまうので、利用価値はありません。タイの銀行のATM利用手数料は基本的に無料です。

携帯電話

SIMフリー端末があれば、こちらでSIMを買うだけです。日本の携帯電話も法改正後はSIMロックを外せるようになっているようですので、そういった端末であれば、日本で利用している端末をそのままバンコクでも使うことができると思われます。

私は日本ではiPhone3GSを使用していましたが、SIMロックが解除できなかったため、バンコクに来てからSIMフリーのiPhone4に買い換えました。それまで使っていたiPhone3GSはSIMロック解除ができないにもかかわらず、中古市場で10000THBで売却できました。

携帯電話の購入は、スーパーマーケット(BigC, Tesco Lotus)、非直営アップルストア(iStudio)、デパート(Central, Paragon, Emporium)のいずれでも大差ありませんが、新品を購入することを強く勧めます。私はiStudioで購入しました。

携帯電話の売却MBK(エンビーケー、マーブンクロンショッピングセンター)の携帯街が手軽でおすすめです。BTSの国立競技場駅直結で便利です。購入もできますが、中古が中心なので注意してください。

バンコクで新たに端末を購入する場合には日本語対応の観点から、iPhoneかAndroid端末を買うことになると思いますが、箱を開けた瞬間から日本語で使えるiPhoneのほうが万人向きだと思います。日本語にこだわらなければ800THB程度から安いGSM携帯が購入可能です。Androidで最安は2500THB程度から、Androidの上位機種で10000THB弱、iPhoneは20000THB程度です。中古市場で購入するのは、外国人にはリスクばかりでメリットはありません。

日本でもヤフーオークションなどで事前にSIMを購入しておけば、あらかじめ電話番号を伝えてから出国することが可能です。AIS、True、DTACが大手三社ですが、日本で例えるなら、順にNTT, au, Softbankといった感じでしょうか。AISの利用者が多く、3Gの無制限のデータプランが799THB/月です。都内で見通しが良いところなら、およそ1Mbps-5Mbps程度出ている印象で、テザリング(AndroidやiPhoneからWifiやBluetooth経由でデータ通信)も利用可能です。

マヒドンMPHの印象

◯よかったこと

  • アジア、アフリカ12カ国から多様な43人の同級生+15人のタイ人MPH学生とも共通授業あり(2012年度は今のところ1 Bangladesh, 2 India, 3 Japan, 1 Kuwait, 12 Myanmar, 7 Nepal, 7 Pakistan, 1 Somalia, 3 Sudanと伝え聞いています。)
  • 教室はわきあいあいとした雰囲気
  • 学生はMDのみならず、MBAやBSc,BNsなど多様
  • 学生は私以外の全員が途上国出身者。
  • 自国に戻ると教科書の中の出来事が目の前にある同級生からの学びが大きい。
  • キャンパスとフィールドが直結
  • ご存知のとおりタイは暮らすにはとってもいいところ。
  • 8割がたは何かしらの奨学金をもらっているようです

×悪かったこと

  • 講義、学生のクオリティーにはばらつきあり
  • 一部の出向組はやる気ないです(笑)
  • 独特のタイ訛りの英語には閉口
  • (自分も含めて)若く、臨床・実務経験が少ない学生が多い

Is the use of a personal health record associated with better health seeking behavior? 健康手帳は検診と関連するか

Such a pleasant surprise that I was given the Best Investigator’s Award in the international session at the 8th Annual Conference of the Japan Primary Care Association in Takamatsu on 13 and 14 May 2017. This honor is more than I deserve, but I am sure that the collective efforts of village health volunteers and public health nurses who contributed to the primary health care in Minamimaki, do deserve it. Summary in English follows.

先日高松で開かれたプライマリ・ケア連合学会の国際部門で、最優秀演題賞を受賞していたことが判明しました(遅っ)。診療所に赴任してとにかく驚いたのが、外来にうず高く積まれる健康手帳でした。手帳を持っている人とそうでない人との間には、何か違いがありそうだという疑問をまとめました。

私が賞をいただいたというよりも、この地域の医療の民主化、プライマリ・ヘルス・ケアの発展に尽力してきた、無数の健康推進員、地域住民、保健師さんたちの努力に対する賞だと思います。また、三頭の怪獣とともにワンオペで家をまもってくれた臨月の妻にも深く感謝します。演題にスペルミスwwwはご愛嬌。

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「私の健康手帳」の報告がプライマリ・ケア連合学会国際部門の最優秀演題賞を受賞

 

“Is the use of a personal health record associated with better health seeking behavior?”
Masahiro Zakoji, Honoo Ogihara, and Tomoko Kikuchi

[Objectives] The Elderly Health Handbook is a paper-based personal health record, which has widely been distributed throughout Japan under the Health Promoting Act since 1982. Little is known to date, however, whether it contributed to promoting health seeking behavior. This cross-sectional study aims to determine whether the use of the handbook is associated with such behavior.

[Methods] A total of 223 patientsʼ visit at Minamimaki village clinic in Nagano prefecture, between 20th July and 12th August 2016, were retrospectively reviewed whether they brought the handbook to the clinic, along with their basic characteristics such as age and sex. They were also reviewed if they underwent regular health checkups as a surrogate outcome of their health seeking behavior.

[Results] Among 223 patients, 135 (60.5%) were female and the mean age was 76.6 (77.9 for female, 74.6 for male). 146 (65.9%) brought the handbook and there was no significant difference between sex (66.7% for female, 64.8% for male, p=0.77). Out of 147 handbook holders, 102(69.3%) underwent regular health checkups while only 35(46.1%) out of 76 non- holders did so (P<0.001).

[Conclusions] It was suggested that those who brought the handbook were more likely to undergo regular health checkups, although it is not possible to conclude a causal relationship from this study design. In clinical settings, careful attention should be paid for their health maintenance status if the patient does not bring such personal health record.

Minamimaki10
PDF https://goo.gl/1pFyUq
ISSUU https://issuu.com/zakoji/docs/minamimaki10

「南牧のお宝手帳(診療所からこんにちは 2016年2月号)」

診療所にはこの一年間で50名ほどの実習や視察の来訪がありました。様々な視点から南牧の地域医療の取り組みについてご覧いただくと、皆さん口をそろえて「私の健康手帳」が印象深いとお話されます。

■患者が運ぶカルテ

「私の健康手帳」は、いわば患者さん本人が持ち歩けるカルテです。かつては開拓したばかりの無医地区を歩き回る保健師が、畑で血圧を測って手帳に書き込み、紹介状がわりに医者に通わせたといいます。四半世紀以上前からの診察や検診の結果が一冊にコンパクトにまとまっていることの重要性は、医療に携わる人なら誰もが大きく頷くところです。平時の血圧や脈拍がどうかということは、いざというときに異常を見抜く上で必須の情報だからです。

■電子カルテにも負けない手帳

電子カルテで一見便利な世の中になったようですが、ある患者さんの30年前の体重や血圧を調べようとすると、実は日本中のほとんどの病院がお手上げのはずです。カルテの保存期間は、医師法では5年と決められています。病院によってはより長く保存しているところもありますが、しばしば倉庫のダンボール箱の中ですから、内容を確認するのは至難の業です。
ところが、南牧村診療所においでくださる患者さんは、みなさん30年分のカルテを、軽々と片手に抱えて毎月受診くださいます。夏になって体重が急に減っても驚くことはありません。去年も、一昨年も同じだ、と手帳でわかるからです。

■デジタル時代の今こそ

そしてこの手帳が今なお、多くの方に大切に使われていることが、診療所の医師としては誇らしく、嬉しくてなりません。ある日の外来では外来患者さん全員が健康手帳をお持ちの日もあったくらいです。(写真1 外来にならぶ健康手帳)みなさんにとっては当たり前かもしれませんが、私は心底びっくりしました。外からおいでになる方たちも驚きと感動で強く印象に残るようです。

変哲のない紙の手帳ですが、電気がなくても、電波がなくても、いつでもどこでも、その患者さんの体と生活の歴史を教えてくれる健康手帳。そして、それが患者さんの手の中にあるのが、またいいですよね。東日本大震災では、停電のため医療機関の電子カルテが使えず、治療内容や処方がわからなくて右往左往する患者さんがたくさんおいででしたが、紙の手帳なら災害時にもきっと役立つに違いありません。

電子機器に囲まれた現代でも、いえ、だからこそ、その価値はますます大きいのかもしれません。ぜひ外来においでになるときには、「私の健康手帳」をお忘れなく。「私も一冊欲しい」という方の来院もお待ちしています!

佐久から世界に健康を: 座光寺正裕 at TEDxSaku on May 11th 2014

オーディションのプレゼンでは、普通に生活していたら馴染みがないような話題を、自分の体験談を交えて楽しくわかりやすく説明したり、他の方のプレゼン内容を受けたアドリプを入れて聞く人のココロを掴んだり… プレゼンの主題だけでなく、「伝え方」もとても魅力的だった座光寺正裕さん。

 1983年長野県生まれ、佐久在住歴11年。九州大学医学部卒、佐久総合病院の総合診療科医師です(地域医療、HIV診療)。佐久長聖中学校を卒業後、15歳でギャップイヤーを取りアジア各地を放浪した経験から、国際保健の道を志します。

 タイのマヒドン大学で公衆衛生を学び、帰国後2013年4月に院内の20人余りの仲間と国際保健委員会を立ち上げ、「だれでも気軽に国際保健に貢献できるプラットフォーム」を合い言葉に、病院をやめずに国際協力に参加できる「現職参加制度」の新設を実現。

 2013年11月の台風でフィリピン大学医学部のレイテ分校が全壊した際には、発災5日後に「レイテ分校友の会」を組織し、全国から寄せられた450万円の支援金で分校の早期再開を後押し。今後は人の交流を通じて、健康長寿の「長野モデル」を佐久から世界のへき地に届けるのが夢とのこと。

 …みなさん、お気付きですよね。珍しい名前ですもんね。そうです、TEDxSakuの代表、座光寺るいの旦那さんです。はっきり言って、代表の身内ということは、コネでも有利でもなんでもなく厳しいハンデでしかなかったと思います。やはり他の候補者よりどうしても厳しい目で見てしまいました。

 それでも座光寺さんは、外部審査員も交えた審議で満場一致で選ばれました。それだけのパワーがあることは、実際にプレゼンを見ていただければわかるはずです。

 国際保健委員会 https://www.facebook.com/SakuGlobalHealth

Junior Doctors Network and Global Health

Masahiro ZAKOJI
Chair, Global Health Committee, Saku Central Hospital, Nagano, Japan (zakoji@gmail.com).

Background

On behalf of the Japan Medical Association- Junior Doctors Network (JMA-JDN), it is a great pleasure and honor for me to write a few words for inclusion in the JMAJ. The JDN was offi- cially acknowledged in 2010 as a body of young doctors worldwide at the World Medical Asso- ciation (WMA) General Assembly in Vancouver. Since then, the network has expanded steadily and, in 2012, there were participants from eleven countries including Korea, Taiwan, Germany, Thailand, Singapore, Brazil, the United States of America, Canada, Spain, Israel and Sudan, at the JDN meeting, which was held along with the WMA General Assembly in Bangkok.1 In 2013, JDN was founded in Japan and officially accepted by the JMA as its subsidiary organiza- tion for junior doctors in Japan.

Establishment of JMA-JDN

The establishment of JMA-JDN has long been awaited since the foundation of the JDN world- wide in 2010. Finally in late 2012, candidate members for the JDN were appointed by the JMA Executive Board and members of the JMA Global Health Committee. Since our network was expected to represent “junior” doctors, those from post-graduate years 1 to 5 were eligible for enrollment. As of May 2013, 21 young doctors, aged between 25 and 39, from various training fields throughout Japan, including family medi- cine, obstetrics and gynecology, pediatrics, infec- tious diseases, and public health, have accepted the invitation.

Our first meeting took place on May 23rd 2013 in Tokyo, in conjunction with the JMA 4th Global Health Committee meeting. Although the meeting was held on a weekday, twelve JDN members made their way to the meeting from all over Japan, from Okinawa in the South to Hokkaido in the North, and celebrated the first day of the network establishment.

As a member of the newly organized JMA- JDN, I was privileged to accompany the Presi- dent of JMA, Dr. Yoshitake YOKOKURA, and Executive Board Member, Dr. Masami ISHII, to attend the 194th WMA council session in Bali, Indonesia, in April 2013 (Fig. 1). The wel- come speech was presented by the Indonesian Health Minister Dr. Nafsiah Mboi, who was an alumni of the Takemi Program in Interna- tional Health at the Harvard School of Public Health, named after Dr. Taro TAKEMI, the former president of JMA.

One of the main topics of discussion was over the final draft of the revision of the Declaration of Helsinki. It was somehow surreal for me that I was sitting around the same table where phy- sicians, lawyers, and other stakeholders were revising that declaration, to which I had paid the utmost respect and careful attention two years ago when I conducted health research on Chikungunya fever prophylaxes among plan- tation workers in Thailand. The discussion was well executed in a democratic and fair manner in that any delegate member was granted the opportunity to comment whenever necessary regardless of his or her affiliations.

Fig. 1 Japanese delegates to the 194th WMA council session in Bali, Indonesia, in April 2013 Left to right: Author, Dr. Yokokura, Prof. Kuroyanagi, Ms. Imamura, Mr. Noto and Dr. Ishii.
Fig. 1 Japanese delegates to the 194th WMA council session in Bali, Indonesia, in April 2013
Left to right: Author, Dr. Yokokura, Prof. Kuroyanagi, Ms. Imamura, Mr. Noto and Dr. Ishii.

Goals and Missions of JDN and JMA-JDN

JMA-JDN basically shares the goals and missions of the JDN world: “to provide a forum for experience-sharing, policy discussion, project and resource development on issues of interest to junior doctors, including (but not limited to) global health, postgraduate training, safe work- ing conditions, and physician migration.”2,3 Our members from various fields are enthusiastic to raise each specific objective, such as providing assistance for young foreign doctors willing to study in Japan, developing a training program on end-of-life care for medical students, and cul- tivating a better understanding among young doctors on JMA. Among those, I am committed to tackling global health issues through projects at my working place, Saku Central Hospital.

Saku Central Hospital Global Health Committee

I work for Saku Central Hospital in Nagano, a mountainous rural region in Japan. The former director of the hospital, Dr. Toshikazu WAKA- TSUKI, the 1976 Ramon Magsaysay Award winner for Community Leadership, is well known for his enthusiasm for primary health care.4 In the aftermath of the World War II, he started a mobile clinic along with health promoting activities through entertainment, that is, a short drama, focusing on health related issues such as the importance of water sanitation (Fig. 2). It should be noted that drama intervention in health promotion was put into practice in Saku region 30 years before the Declaration of Alma-Ata was adopted in 1978. He then started to provide an all-village annual health check-up in Yachiho village in 1959, which became a model for the nationwide health check-up system.

Fig. 2 A short drama “People in white coats” (1945) written by Dr. Wakatsuki Villagers enjoyed watching doctors and nurses act after a mobile clinic session.
Fig. 2 A short drama “People in white coats” (1945) written by Dr. Wakatsuki
Villagers enjoyed watching doctors and nurses act after a mobile clinic session.

We have provided training programs for 870 foreign medical professionals and governmental officials from 74 countries in the last decade (Fig. 3). In 2013, I was appointed chief of the newly organised Global Health Committee, which will provide young doctors, nurses, other staff, and people in the community, with the opportunity to contribute to the betterment of global health.5 With our inter-professional net- work in and out of the hospital, we are upgrading the quality of our training program for foreign visitors to meet their individual goals. We also provide comprehensive assistance for foreign patients in the Saku community, regardless of their solvency or legal permission to stay in Japan. We have assisted a few foreign AIDS patients, who were illegal over stayers without health insurance, to fly back to their home coun- try and continue their treatment.

In order to expand and strengthen the global health network, we will host the Saku Global Health Seminar in August 2013, focusing on what should be introduced to the world from our experiences of primary health care in rural communities in Japan.

Fig. 3 Foreign trainees and visitors to Saku Central Hospital
Fig. 3 Foreign trainees and visitors to Saku Central Hospital

JMA-JDN: Where to from here

Members of JMA-JDN started to analyze our own network by the SWOT method, that is strengths, weaknesses, opportunities, and threats, and will set our goals and missions soon by means of strategic planning. Since our members are scattered around Japan and engaged in full- time practices as young professionals, most of our interactions are inevitably online: drafted documents shared on a cloud server, daily com- munications through mailing lists, and monthly meetings over video conference services. The next JMA-JDN meeting in person will be held in November 2013 along with the 30th Anniversary of the Takemi Program in Tokyo.

We are determined to delegate to the Gen- eral Assembly of the Confederation of Medical Associations in Asia and Oceania (CMAAO) in New Delhi in September 2013, and the WMA General Assembly in Fortaleza in October 2013. We will also try to organize a JDN meeting in conjunction with the WMA council session in Tokyo in April 2014 to strengthen the JDN, especially in Asia.

References

  1. JDN News 1. Issue 1-2013, 4 February 2013. http://www.wma. net/en/80junior_doctors/40news/JDN_News-letter_Issue-1- 2013.pdf.
  2. Walker X, Loh L, Hornung T. Junior doctors network. World Medical Journal. 2012;58(3):119–120.
  3. World Medical Association, JDN, About us. http://www.wma.net/en/80junior_doctors/10about_us/.
  4. Saku Central Hospital. http://www.sakuhp.or.jp/ja/english/index.html.
  5. Saku Global Health Committee. http://www.facebook.com/SakuGlobalHealth.